デスボイスの種類を整理!グロウルやスクリームの違いと選び方

デスボイスにはいくつかの種類があり、名前だけを覚えても自分に合う声は選びにくいです。低い声を出したいのか、高く裂けるような声にしたいのか、曲の中で使いたいのか、練習の入口を知りたいのかで見るべきポイントが変わります。

特に判断を間違えやすいのは、迫力のある声ほど喉を強く締めて出すものだと思ってしまうことです。この記事では、代表的なデスボイスの種類と使い分け、初心者が最初に確認したい安全な考え方、無理をしない練習の方向性まで整理します。

目次

デスボイスの種類は大きく分けて考える

デスボイスの種類は、細かく分ければ多くありますが、最初は「低くうなる声」「高く叫ぶ声」「息や歪みを混ぜる声」「特殊効果のように使う声」に分けて考えると理解しやすくなります。ジャンル名や発声名だけを追いかけると混乱しやすいので、まずは音の高さ、歪み方、曲の中での役割を見ることが大切です。

たとえば、デスメタルでよく使われる低いグロウルと、メタルコアで聞く鋭いスクリームは、同じデスボイスでも印象がかなり違います。さらに、ピッグスクイールのように効果音に近い声もあれば、ガテラルのように重く深い響きを狙う声もあります。どれが上級でどれが初心者向きというより、自分の声質や出したい音楽に合っているかで選ぶほうが失敗しにくいです。

代表的な種類をざっくり整理すると、次のようになります。

種類音の特徴向きやすい場面注意点
グロウル低く太いうなり声デスメタル、重いリフのパート低さを出そうとして喉を押しつぶしやすい
スクリーム高く鋭い叫び声メタルコア、サビ前、感情を強く出す場面大声で叫ぶだけになると喉を痛めやすい
ガテラル口の奥で響く深い低音ブルータル系、重厚感を出す場面発音がこもりやすく歌詞が伝わりにくい
ピッグスクイール豚の鳴き声のような特殊な高音アクセント、ブレイクダウン、特殊表現多用すると曲の流れを壊しやすい
フライ系細かくジリジリした歪み軽めの歪み、練習の入口、表現の追加小さい音でできても歌に乗せるには調整が必要

最初に選ぶなら、音源で聞いて一番かっこいいと思う声だけでなく、自分が無理なく真似できる音域から探すのがおすすめです。低い声が出にくい人がいきなり深いガテラルを目指すと、喉を強く下げたり力んだりしがちです。反対に、高い声が苦手な人がスクリームだけを練習すると、ただの大声になってしまうことがあります。まずは小さい音量で軽い歪みを作り、そこから太さや高さを足していく考え方が安全です。

まず知りたい発声の前提

デスボイスは、普通の歌声とは違う響きに聞こえますが、基本は「喉を壊して出す声」ではありません。むしろ、長く続ける人ほど、力任せに叫ぶのではなく、息の量、口の開き方、共鳴、体の支えを細かく調整しています。痛みを我慢して出す声ではなく、通常の発声に歪みや響きを加える表現だと考えると、練習の方向を間違えにくくなります。

痛い声はよい声ではない

デスボイスで最も避けたいのは、喉の痛みを「効いている証拠」と思ってしまうことです。練習中にヒリヒリする、飲み込むと痛い、翌日まで声がかすれるといった状態は、発声がうまくいっているサインではありません。特に、首に力が入り、顔をしかめながら大音量で押し出している場合は、声帯や周辺の筋肉に負担がかかっている可能性があります。

初心者のうちは、迫力を出そうとして息を強くぶつけがちです。しかし、デスボイスの迫力は音量だけで決まるものではなく、歪みの密度、母音の作り方、マイクとの距離、バンドサウンドとの混ざり方でも変わります。小さい音で歪みの感覚を作れないまま大声にすると、コントロールできない叫びになりやすいです。

練習するときは、まず「痛くない」「咳き込まない」「練習後に普通の会話ができる」を最低ラインにしましょう。少しでも違和感がある日は、種類を変えて練習するより休むほうが結果的に早道です。声は楽器と違って交換できないため、無理をして短期間で音を作るより、日ごとに状態を確認しながら慣らすことが大切です。

名前より音の方向を決める

デスボイスの種類を調べると、グロウル、ガテラル、スクリーム、フライスクリーム、フォールスコード、ピッグスクイールなど、たくさんの名前が出てきます。これらの言葉は便利ですが、使う人やジャンルによって意味の範囲が少し変わることがあります。そのため、最初から名称を完璧に覚えるより、どんな音を出したいのかを先に決めたほうが実用的です。

たとえば、低くて地鳴りのような声を出したいなら、グロウルやガテラルの方向を調べると近づきやすいです。高く突き抜けるような声が欲しいなら、スクリームやフライスクリームの情報が役立ちます。曲の一部だけで奇抜な音を入れたいなら、ピッグスクイールや吸い込み系の表現を参考にする場面もあります。

大切なのは、好きなボーカリストの声をそのまま自分に当てはめないことです。声帯の長さ、地声の高さ、息の使い方、口の形は人によって違います。同じ「低音グロウル」を目指しても、ある人は太く丸い音になり、別の人はザラついた中低音になることがあります。自分の声に合った形で近づけるほうが、曲の中でも安定して使いやすくなります。

代表的な種類と使い分け

ここからは、よく名前が出るデスボイスの種類を、音の特徴と使い方に分けて見ていきます。厳密な分類よりも、初心者が曲作りや練習で判断しやすいように整理します。どの声も、単独で練習するだけでなく、リフ、テンポ、歌詞の聞こえ方と合わせて考えると使いどころが見えてきます。

グロウルは低く太い声

グロウルは、低くうなるようなデスボイスです。デスメタルやメロディックデスメタルでよく聞かれ、ギターの低音リフやツーバスの重さと相性がよい声です。音の印象は「太い」「暗い」「重い」で、歌詞をはっきり伝えるというより、曲全体の圧力を作る役割が強くなります。

ただし、グロウルを出そうとして、無理に地声を低くしすぎるのは危険です。喉を下げ続けたり、首を固めたりすると、音は低く聞こえても長く続けにくくなります。低さを作るには、声そのものを押し下げるより、口の中の空間を広くする、母音を暗めにする、マイクで低音を拾いやすくするなど、いくつかの要素を組み合わせる必要があります。

初心者がグロウルを試すなら、まずは低めの話し声から軽いザラつきを足す感覚を探すとよいです。いきなりライブ音量で出すのではなく、録音して聞き返し、息が漏れすぎていないか、喉が詰まっていないかを確認します。重さが足りない場合も、力で押すより、発音を「オ」「ウ」寄りにするなど響きの方向を変えるほうが調整しやすいです。

スクリームは高く鋭い声

スクリームは、高く鋭く、感情が前に出るタイプのデスボイスです。メタルコア、ポストハードコア、スクリーモなどでよく使われ、サビ前の盛り上げやブレイクダウンの直前に入ると強い緊張感を作れます。グロウルが地面に沈むような重さなら、スクリームは空気を切り裂くような印象です。

初心者が失敗しやすいのは、スクリームを「全力の叫び」と考えることです。日常で怒鳴る声に近い出し方をすると、最初は勢いが出てもすぐに喉が疲れます。特に高音域で力むと、声が裏返ったり、声帯まわりに強い負担がかかったりしやすくなります。スクリームは音量よりも、歪みの細かさと息の流れの安定が重要です。

曲で使う場合は、歌詞の母音を整理すると聞き取りやすくなります。「ア」は開放感が出やすく、「イ」は鋭くなりやすい一方で喉が詰まりやすいです。「オ」や「エ」は中間的に使いやすく、フレーズによって表情を変えやすいです。練習では、一つの単語を何度も叫ぶより、短いフレーズを低めの音量で録音し、痛みなく同じ質感を再現できるかを確認しましょう。

ガテラルは深く重い低音

ガテラルは、グロウルよりさらに深く、口の奥でこもるように響く低音のデスボイスとして扱われることが多いです。ブルータルデスメタルやスラミング系の音楽で使われることがあり、言葉というより、音の塊として曲に重さを加える役割が強くなります。低音の迫力を出したい人にとって魅力的な種類です。

一方で、ガテラルは歌詞が聞き取りにくくなりやすい声でもあります。口の奥に響きを集めすぎると、母音や子音がつぶれ、何を言っているか分からないまま低い音だけが残ります。世界観を重視する曲ではそれが合う場合もありますが、歌詞の内容を伝えたい曲では使いどころを選ぶ必要があります。

練習では、まず低くしすぎないことが大切です。最初から極端な低音を狙うより、自分の出しやすい中低音で歪みを安定させ、少しずつ口の空間や舌の位置を変えて深さを作ります。録音したときに、ただこもっているだけなら、口を少し開ける、母音をはっきりさせる、フレーズを短くするなどの調整が必要です。重さと聞き取りやすさのバランスを取ることで、曲の中でも使いやすくなります。

ピッグスクイールは特殊な効果

ピッグスクイールは、豚の鳴き声のように聞こえる独特なデスボイスです。名前の印象どおり、普通の歌声や叫び声とはかなり違い、曲の中ではアクセントやインパクトを作るために使われることが多いです。ブレイクダウンやリズムが止まる瞬間に入ると、強烈な印象を残せます。

ただし、ピッグスクイールは使いすぎると曲の流れを壊しやすい声でもあります。リフやドラムのノリと合っていない場所に入れると、面白い音ではあっても楽曲全体では浮いてしまいます。また、歌詞を伝える目的には向きにくく、あくまで特殊表現として考えたほうが自然です。

練習する場合は、無理に吸い込みや極端な喉の形を作ろうとしないことが大切です。人によって出しやすい方法が異なるため、違和感がある状態で続ける必要はありません。曲作りで使うなら、1曲の中で何度も入れるより、ここぞという1〜2か所に絞ると効果が出やすいです。ライブで再現できるかも考えておくと、録音だけで終わらない表現になります。

自分に合う種類の選び方

デスボイスの種類を選ぶときは、好きなジャンルだけでなく、自分の声質、練習環境、使いたい曲のテンポを合わせて考えると判断しやすくなります。家で小さな声しか出せない人と、スタジオでバンドに合わせて練習できる人では、最初に取り組みやすい種類が変わります。自分の条件を無視して難しい声から始めると、上達よりも喉の疲れが先に来てしまいます。

目的向きやすい種類確認したいこと
低く重い曲に合わせたいグロウル、ガテラル低音を無理に押し下げず、録音でこもり具合を確認する
感情を強く出したいスクリーム、フライ系大声ではなく、軽い歪みを安定して出せるかを見る
曲にアクセントを入れたいピッグスクイール、短い特殊声多用せず、リズムの切れ目や展開に合わせる
初心者として安全に始めたい軽いフライ系、中低音の歪み小さい音で痛みなく出せる範囲から始める

声質で選ぶ

地声が低い人はグロウルやガテラルに向いていると思われがちですが、実際には低い声質だけで決まるわけではありません。低い声でも喉が力みやすい人は、深い声を出そうとすると詰まりやすくなります。反対に、地声が高めでも、口の空間や母音の作り方で中低音のグロウルに近い響きを作れる場合があります。

高い声が出しやすい人は、スクリームやフライ系の歪みを扱いやすいことがあります。ただし、高音が得意だからといって、強い叫びを続けても大丈夫という意味ではありません。高い音ほど喉の違和感に気づきにくい場合があるため、練習後の声のかすれや首の疲れを確認することが必要です。

自分に合うかどうかは、1回の練習で判断しないほうがよいです。録音を数日分残し、同じ音を無理なく再現できるか、翌日の普通の声に影響がないかを見ます。かっこよく聞こえるけれど毎回喉が疲れる種類より、少し地味でも安定して出せる種類のほうが、曲の中では使える声になりやすいです。

ジャンルで選ぶ

デスボイスは、ジャンルとの相性も大きいです。デスメタルやメロディックデスメタルでは、低いグロウルが曲の重さを支えることが多く、ギターの刻みや重いリフに自然に混ざります。メタルコアやハードコア寄りの曲では、高めのスクリームや中音域の歪みが、勢いや感情を出すために使われやすいです。

ブルータル系やスラミング系では、ガテラルやピッグスクイールのような特殊な声が曲の世界観に合うことがあります。ただし、ジャンルに合うからといって、全編同じ声で押し切ればよいわけではありません。低い声ばかりだと単調になり、高い声ばかりだと耳が疲れることがあります。曲の展開に合わせて種類を切り替えると、聴き手に伝わりやすくなります。

たとえば、Aメロは低めのグロウルで重く入り、サビ前でスクリームに切り替え、ブレイクダウンで短くピッグスクイールを入れるような使い方があります。これは技を多く見せるためではなく、曲の感情の流れを作るためです。自分が演奏するバンドや作りたい音源の中で、どの声がどの役割を持つのかを考えると、種類選びが実践的になります。

練習で失敗しやすい点

デスボイスの練習で失敗しやすいのは、音の迫力だけを基準にしてしまうことです。録音で強そうに聞こえても、毎回喉が痛くなるなら長く使える声ではありません。また、動画や音源の一部だけを真似して、発声前のウォームアップ、息の使い方、マイク処理を見落とすと、自分の声だけがうまくいかないように感じやすくなります。

大声だけで作らない

デスボイスは激しい音楽で使われるため、大きな声を出せば近づけると思いやすいです。しかし、大声は迫力の一部であって、種類を作る中心ではありません。グロウルなら低音の響き、スクリームなら細かい歪み、ガテラルなら口の奥の空間、ピッグスクイールなら特殊な共鳴が関係します。音量だけを上げても、これらの要素が整っていなければ荒い叫びに近くなります。

特に自宅練習では、近所迷惑を避けようとして小さい声で練習する人も多いです。これは悪いことではなく、むしろ最初は小さい音で歪みの形を探すほうが安全です。ただし、小さい音でできる歪みをそのままライブ音量に広げるには、息の支えや口の開き方を調整する必要があります。小声でできたから完成ではなく、段階的に音量を上げて確認することが大切です。

練習時は、スマホの録音でもよいので必ず聞き返しましょう。自分の体感では太く聞こえても、録音では息漏れが多かったり、逆に喉が詰まって聞こえたりすることがあります。録音で確認すると、力を入れたときより少し楽に出したときのほうが音として使いやすい場合も見つけやすくなります。

休む判断を軽く見ない

デスボイスの練習では、休む判断も技術の一つです。喉が疲れている日に無理をすると、いつもの発声が分からなくなり、さらに力で補おうとして悪循環になりやすいです。特に、風邪気味、寝不足、乾燥した部屋、長時間の会話の後は、普段より声の状態が落ちていることがあります。

避けたいサインとしては、練習中の痛み、咳き込み、声のかすれ、飲み込みづらさ、翌日まで残る違和感があります。これらがあるときは、別の種類を試して突破するのではなく、練習を止めて回復を優先したほうがよいです。水を飲めばすぐ戻る程度の乾きと、喉の奥が痛む感覚は分けて考える必要があります。

また、毎日長時間練習するより、短時間で状態を確認しながら続けるほうが安定しやすいです。最初は5〜10分程度で録音し、普通の歌声や会話に影響がないかを見るくらいでも十分です。違和感が続く場合は、発声に詳しいボイストレーナーや医療機関に相談する選択肢もあります。かっこいい声を出すためにも、声を守る判断を軽く見ないことが重要です。

最初に試すなら安全な範囲から

デスボイスの種類を知ったら、まずは自分が出したい音を一つに絞り、小さい音量で痛みなく歪みを作るところから始めるのが現実的です。低く重い声に憧れるなら中低音の軽いグロウル方向、高く鋭い声が好きなら軽いフライ系の歪みから確認すると、無理な叫びに進みにくくなります。

次にやることは、好きなボーカリストの声を一つ選び、その声を「高さ」「歪みの強さ」「歌詞の聞こえやすさ」「使われている場面」に分けて聞くことです。単に似せようとするより、どの要素が自分に必要かを分けると練習しやすくなります。たとえば、低さは真似しきれなくても、母音の暗さやフレーズの切り方を取り入れるだけで雰囲気は近づきます。

練習では、次の順番で確認すると失敗しにくいです。

  • 普通の会話声や歌声に痛みがない状態で始める
  • 小さい音量で軽い歪みを作る
  • 低音か高音か、出したい方向を一つに絞る
  • スマホで録音して、詰まりや息漏れを確認する
  • 違和感が出たらその日の練習を終える

デスボイスは、種類を多く知るほど楽しくなりますが、最初から全部を使いこなす必要はありません。グロウル、スクリーム、ガテラル、ピッグスクイールの違いを知ったうえで、自分の曲や声質に合うものを一つ選び、無理なく再現できる状態を目指しましょう。迫力は力だけで作るものではなく、安定した発声、曲との相性、録音での聞こえ方が合わさって生まれます。焦らず、安全な範囲で自分の声に合うデスボイスを育てていくことが、長く続けるための一番確かな進め方です。

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この記事を書いた人

バンドや音楽活動が、日常を少し楽しくしてくれる存在だと思っています。
ジャンルや楽器、活動の仕方を眺めているだけでも、世界が広がる感じが好きです。
このブログでは、音楽を始めたい人向けに、選び方や考え方を分かりやすくまとめています。ステージに立つ日も、部屋で音を鳴らす時間も、どちらも楽しい未来になりそうですね。

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