ギターの値段は、安いものなら1万円台、高いものなら数十万円以上まであり、初めて選ぶ人ほど平均が分かりにくいものです。しかも、アコースティックギターとエレキギターでは必要な周辺機材が違うため、本体価格だけで判断すると予算がずれやすくなります。
この記事では、ギター本体の平均的な価格帯だけでなく、初心者が無理なく始めやすい予算、安すぎるギターで起こりやすい失敗、長く使うための選び方まで整理します。自分がどのくらいの値段を見ておけばよいか、落ち着いて判断できるようにしていきましょう。
ギター値段の平均は初心者なら3万〜7万円が目安
ギターの値段の平均を初心者目線で考えるなら、本体だけで3万〜7万円前後をひとつの目安にすると判断しやすいです。1万円台のギターでも始めることはできますが、チューニングの安定性、弦の押さえやすさ、音のまとまりを考えると、少し余裕を持った価格帯のほうが練習を続けやすくなります。特に初めての1本では、安さだけで選ぶよりも、調整のしやすさや店頭で相談できる安心感を重視したほうが失敗しにくいです。
アコースティックギターは、本体だけなら2万〜5万円台でも始めやすいモデルが多くあります。アンプが不要なので、チューナー、カポタスト、ピック、替え弦、ケースなどを足しても、初期費用は3万〜6万円ほどに収まりやすいです。一方でエレキギターは、ギター本体に加えてアンプ、シールド、ストラップ、チューナーなどが必要になるため、同じ本体価格でも総額は高くなりやすいです。エレキの場合は、初心者セットなら3万〜6万円台、少し余裕を見るなら本体と周辺機材を合わせて5万〜10万円前後を見ておくと安心です。
ただし、ここでいう平均は「全ギターの単純な平均価格」ではありません。プロ向けやヴィンテージ品まで含めると平均は大きく上がりますが、初心者が最初に買うギターとしてはあまり参考になりません。大切なのは、自分が弾きたい曲、使う場所、続ける自信、周辺機材の必要性に合わせて、無理のない価格帯を決めることです。
| 目的 | 本体価格の目安 | 初期費用の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| まず試してみたい | 1万〜3万円前後 | 2万〜5万円前後 | 続くか分からないが、早く始めたい人 |
| 初心者でも長く使いたい | 3万〜7万円前後 | 4万〜10万円前後 | 練習を続ける前提で、弾きやすさも重視したい人 |
| 音や見た目にもこだわりたい | 7万〜15万円前後 | 8万〜18万円前後 | 趣味として本格的に続けたい人 |
| ライブや録音も考えたい | 10万円以上 | 12万円以上 | アンプ、エフェクター、録音環境まで整えたい人 |
最初から高額なギターを買わないと上達できないわけではありません。反対に、安ければ何でもよいわけでもありません。初心者にとっては、値段そのものよりも「押さえやすいか」「チューニングが大きく狂わないか」「練習したくなる見た目か」「必要な小物を含めた総額が予算内か」のほうが重要です。
平均価格を見る前に決めること
ギターの平均価格を調べる前に、まずアコースティックギターとエレキギターのどちらを始めたいのかを決める必要があります。同じギターでも、必要な機材、音量、練習場所、弾きたい曲の雰囲気が大きく違うからです。ここを曖昧にしたまま値段だけで選ぶと、安く買えたのに弾きたい音が出ない、家で練習しにくい、必要な機材を後から買い足して予算を超えるという失敗につながります。
アコギとエレキで総額は変わる
アコースティックギターは、本体だけで音が出るため、始めるための道具が少なく済みます。弾き語り、ソロギター、キャンプや部屋での演奏に向いていて、アンプを用意しなくても練習できます。ただし、生音がしっかり出るため、マンションや夜の練習では音量に気をつける必要があります。弦の張りがやや強く、初心者は指が痛くなりやすい点も知っておきたいところです。
エレキギターは、本体の生音が小さく、ヘッドホン対応のアンプやマルチエフェクターを使えば自宅練習がしやすいです。ロック、ポップス、ボカロ、アニソン、バンド演奏に向いており、音作りの幅も広いです。ただし、アンプ、シールド、ストラップ、場合によってはエフェクターが必要になるため、本体価格だけを見ていると初期費用が足りなくなることがあります。エレキ本体が3万円でも、周辺機材を足すと5万円以上になることは珍しくありません。
初心者セットは便利だが中身を見る
初心者セットは、ギター本体と必要な小物がまとめて入っているため、何を買えばよいか分からない人には便利です。チューナー、ピック、ストラップ、ケース、替え弦、クロス、教則本などが含まれていることが多く、エレキの場合は小型アンプやシールドが付くセットもあります。単品でひとつずつ選ぶ手間が少ないため、初日に練習を始めやすいのが大きな利点です。
ただし、セット内容は商品によって差があります。アンプの音が小さすぎる、チューナーが使いにくい、ケースが薄く持ち運びに不安があるなど、小物の品質が必要最低限に寄っていることもあります。また、セット価格が安く見えても、本体そのものの作りや調整状態が分かりにくい場合があります。初心者セットを選ぶときは、付属品の数だけでなく、ギター本体のブランド、保証、調整済みかどうか、レビューの内容を確認すると安心です。
価格帯ごとの違いを知る
ギターは値段が上がるほど、音がよくなるだけでなく、弾きやすさ、調整の安定性、パーツの精度、見た目の仕上げにも差が出やすくなります。ただし、初心者の段階では高級モデルの音の違いを細かく聞き分けるよりも、毎日手に取りやすいことのほうが大切です。価格帯ごとの特徴を知っておくと、自分に必要な範囲だけにお金をかけやすくなります。
1万〜3万円台は始めやすさ重視
1万〜3万円台のギターは、費用を抑えて始めたい人に向いています。アコースティックギターの入門セットや、エレキギターの低価格モデルでは、この価格帯の商品も多く見つかります。続くかどうか分からない、子どもの最初の1本として試したい、まずコードを覚えたいという場合には、選択肢に入れてよい価格帯です。
一方で、安いギターほど個体差が出やすい点には注意が必要です。弦高が高くて押さえにくい、フレットの端が少し引っかかる、ペグの精度が低くチューニングが安定しにくいといった問題があると、練習のストレスが増えます。初心者は自分の技術不足だと思い込みやすいですが、実際には楽器の調整が原因で弾きにくいこともあります。この価格帯を選ぶなら、可能であれば楽器店で調整済みのものを選び、通販の場合も返品条件や保証を確認しておくと安心です。
3万〜7万円台は失敗しにくい中心帯
初心者が最初の1本として選ぶなら、3万〜7万円台はかなり現実的な中心帯です。アコースティックギターなら、音の鳴り、ネックの握りやすさ、チューニングの安定感が入門機より良くなりやすく、弾き語りや基礎練習にも使いやすいモデルが増えます。エレキギターでも、ストラトキャスタータイプ、テレキャスタータイプ、レスポールタイプなど、見た目や音の方向性を選びやすくなります。
この価格帯のよいところは、安すぎて練習しにくいリスクを減らしつつ、いきなり大きな出費になりにくい点です。例えば、エレキ本体に4万〜6万円、アンプや小物に1万〜3万円を見ておけば、家で練習できる環境を整えやすくなります。アコギなら本体に3万〜5万円、小物に5千〜1万5千円ほどを見ておくと、チューナー、カポタスト、替え弦、ケースまで無理なくそろえやすいです。迷ったときは、この価格帯を基準にして、見た目や持ちやすさで絞ると選びやすくなります。
7万円以上は満足感と長期使用向き
7万円以上のギターは、最初から長く使える1本が欲しい人、見た目や音に強い好みがある人、すでに弾きたいアーティストやジャンルが決まっている人に向いています。作りの精度やパーツの品質が上がりやすく、ネックの安定感、ピックアップの音、ボディの鳴りにも違いを感じやすくなります。練習用としてだけでなく、録音、ライブ、セッションにも使いやすいモデルが増える価格帯です。
ただし、初心者がいきなり高いギターを買う場合は、気持ちの面も考える必要があります。高価なギターを買うことで練習のやる気が上がる人もいれば、傷をつけるのが怖くて気軽に触れなくなる人もいます。また、弾きたいジャンルが変わると、最初に選んだギターの音や形が合わなくなることもあります。予算に余裕がある場合でも、最初は10万円前後までを上限に考え、実際に弾きながら好みを固めるほうが無理がありません。
本体以外にかかる費用
ギターの値段を考えるときに見落としやすいのが、本体以外にかかる費用です。特にエレキギターは、ギターだけを買っても音作りや練習環境が整いません。アコースティックギターでも、チューナーや替え弦がないと練習を続けにくくなります。平均価格を調べるときは、本体価格と初期費用を分けて考えることが大切です。
最低限そろえたい小物
どちらのギターでも、チューナー、ピック、替え弦、クロス、ケースは用意しておきたい小物です。チューナーは音を正しく合わせるために必要で、スマホアプリでも代用できますが、クリップチューナーがあると練習前の準備が楽になります。ピックは厚さによって弾き心地が変わるため、最初は薄め、中くらい、少し厚めを数枚試すと自分に合うものを見つけやすいです。
アコースティックギターなら、カポタストも早めに用意すると便利です。弾き語りではキーを変えたり、押さえやすいコードに置き換えたりできるため、練習の幅が広がります。エレキギターなら、アンプ、シールド、ストラップがほぼ必要になります。最近はヘッドホン練習に向いた小型アンプや、オーディオインターフェースを使ったパソコン練習もありますが、初めてなら操作が簡単な小型アンプから始めると迷いにくいです。
| 道具 | 必要度 | 価格の目安 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| チューナー | 高い | 1,000〜3,000円前後 | クリップ式は初心者でも使いやすい |
| ピック | 高い | 1枚100〜200円前後 | 厚さを数種類試すとよい |
| 替え弦 | 高い | 700〜2,000円前後 | アコギ用とエレキ用を間違えない |
| カポタスト | アコギは高め | 1,000〜3,000円前後 | 弾き語りでは使う場面が多い |
| 小型アンプ | エレキは高い | 5,000〜2万円前後 | ヘッドホン端子の有無を確認する |
| ケース | 高い | 付属〜1万円前後 | 持ち運ぶなら厚みのあるものが安心 |
メンテナンス費も少し見る
ギターは買って終わりではなく、弦交換や調整にも少し費用がかかります。弦は使う頻度にもよりますが、初心者でも数か月に一度は交換を考えたい消耗品です。古い弦は音がこもり、チューニングも不安定になりやすいため、練習の気持ちよさにも影響します。最初は楽器店で交換してもらい、慣れてきたら自分で交換できるようにすると費用を抑えやすいです。
また、弦高調整、ネック調整、オクターブ調整などのセットアップが必要になることもあります。特に通販で安いギターを買った場合、届いた状態のままだと弾きにくいことがあります。楽器店で調整してもらうと数千円かかる場合がありますが、押さえにくさが改善すると練習のストレスが大きく減ります。安いギターを買っても調整費がかかるなら、最初から調整済みのモデルや店舗購入を選ぶほうが結果的に満足しやすいこともあります。
値段だけで選ぶ失敗を避ける
ギター選びでは、平均価格よりも「自分が続けられる条件」を外さないことが大切です。高いギターを買えばうまくなるわけではありませんし、安いギターだから必ず悪いわけでもありません。失敗しやすいのは、値段だけで決めて、弾きやすさ、音量、見た目、練習環境を確認しないまま買ってしまうケースです。
安すぎるギターの注意点
安いギターを選ぶときは、弦高、ネック、ペグ、フレットの状態を確認したいです。弦高が高すぎると、コードを押さえるたびに指が痛くなり、Fコードやバレーコード以前に簡単なCコードやGコードでも疲れてしまいます。ネックが反っていると音がビビったり、逆に弦が押さえにくくなったりします。ペグの精度が低いと、せっかくチューニングしてもすぐに音がずれて、練習のたびに不安になります。
初心者は、こうした問題を自分で見分けるのが難しいです。そのため、極端に安い中古品や、詳細が分からないフリマアプリのギターは慎重に考えたほうがよいです。写真ではきれいに見えても、ネックの状態、フレットの減り、電装系のガリ、ブリッジの浮きなどは分かりにくいからです。中古を選ぶなら、楽器店で点検済みのもの、保証があるもの、試奏できるものを優先すると安心です。
高ければ安心とも限らない
高いギターでも、自分に合わなければ満足できないことがあります。例えば、手が小さい人に太いネックのギターは押さえにくい場合がありますし、軽いギターを求めている人に重いレスポールタイプは負担になることがあります。アコースティックギターでも、ドレッドノートのような大きめのボディは豊かな音が出やすい一方で、体格によっては抱えにくく感じることがあります。
また、憧れのアーティストと同じ形のギターを選んでも、家で練習する音量やジャンルに合わない場合があります。見た目の好みは大切ですが、座って弾いたときの安定感、ストラップを付けたときの重さ、ネックの握りやすさ、音の方向性も一緒に確認しましょう。予算がある人ほど、価格だけで上位モデルを選ぶのではなく、実際の使い方に合うかを見たほうが納得しやすいです。
店舗と通販の使い分け
初めてのギターは、できれば楽器店で実物を見て選ぶのがおすすめです。試奏ができなくても、店員に初心者であること、弾きたい曲、予算、家での練習環境を伝えれば、候補を絞ってもらえます。実際に持つだけでも、重さ、ボディの大きさ、ネックの太さ、色の印象が分かります。写真で見てよいと思ったギターでも、実物では大きすぎる、重すぎる、色味が違うと感じることがあります。
通販は、価格を比較しやすく、近くに楽器店がない人には便利です。ただし、初めて買う場合は、調整済みか、保証があるか、返品や交換ができるかを確認しましょう。レビューを見るときは、音の好みだけでなく、梱包、初期不良、チューニングの安定性、弾きやすさに関する内容を重視すると判断しやすいです。通販で買う場合でも、届いたらすぐにチューニング、弦高、傷、音詰まり、エレキならアンプにつないだ音を確認することが大切です。
自分に合う予算の決め方
ギターの平均価格を知ったうえで大切なのは、自分の予算を無理なく決めることです。最初から理想の機材を全部そろえようとすると、思った以上に高くなります。反対に、予算を削りすぎると、弾きにくさや音の不満で練習のやる気が落ちることがあります。まずは、どのくらい続けたいか、どこで弾くか、どんな曲を弾きたいかを基準にしましょう。
迷ったときの予算配分
予算が5万円前後なら、アコースティックギターでは本体に3万〜4万円、小物に1万円前後を使うとバランスが取りやすいです。エレキギターでは、本体に3万〜4万円、アンプや小物に1万〜2万円を見ておくと、最低限の練習環境を作りやすくなります。予算が7万〜10万円あるなら、本体の品質を少し上げるか、ヘッドホン練習しやすいアンプや使いやすいケースに回すと満足度が上がりやすいです。
予算配分で避けたいのは、本体に全額を使ってしまい、チューナーや替え弦を買えない状態です。特に初心者は、正しい音で練習することが大切なので、チューナーは後回しにしないほうがよいです。また、エレキの場合はアンプの音があまりに好みに合わないと、弾いていて楽しく感じにくくなります。ギター本体を少し抑えても、練習しやすい周辺機材をそろえたほうが続けやすい場合があります。
中古を選ぶなら確認を増やす
中古ギターは、新品より安く良いモデルを手に入れられる可能性があります。すでに生産終了したモデルや、定価では手が届きにくいブランドを選べることもあります。ただし、初心者が中古を選ぶ場合は、状態の見極めが難しいため注意が必要です。ネックの反り、フレットの減り、ナットの状態、電装系のノイズ、ブリッジやサドルの不具合などは、見た目だけでは判断しにくいです。
中古を買うなら、個人売買よりも楽器店の中古品を優先すると安心です。点検済み、調整済み、保証付きであれば、購入後のトラブルを減らしやすくなります。どうしてもフリマアプリやオークションを使う場合は、価格が安い理由、使用年数、保管環境、改造の有無、付属品、返品可否を確認しましょう。安く見えても、修理や調整に数千円から数万円かかると、新品を買ったほうがよかったということもあります。
最初の1本は続けやすさで選ぶ
ギターの値段の平均は、初心者なら本体3万〜7万円前後、初期費用を含めて4万〜10万円前後を目安にすると考えやすいです。アコースティックギターは周辺機材が少なく、エレキギターはアンプやシールドを含めた総額で見る必要があります。平均価格だけを見て高いか安いかを決めるのではなく、自分が弾きたい曲、家での音量、必要な小物、続けやすさまで含めて判断しましょう。
これから買うなら、まずアコギかエレキかを決め、次に総予算を決めます。そのうえで、候補を3本ほどに絞り、可能なら楽器店で持ってみてください。試奏ができなくても、重さ、ネックの太さ、見た目の好み、店員の説明だけで分かることは多いです。通販で買う場合は、調整済み、保証、返品条件、レビューの内容を確認してから選ぶと安心です。
最初の1本で大切なのは、完璧なギターを探すことではありません。毎日少し触りたくなること、押さえにくすぎないこと、予算を使い切りすぎず必要な小物までそろえることです。迷ったら、極端に安いものや高いものに寄せすぎず、3万〜7万円台の本体を中心に見て、総額で無理のない範囲に収めると失敗しにくくなります。買ったあとは、チューニング、簡単なコード、好きな曲のワンフレーズから始めれば、値段以上に大切な「続ける感覚」がつかみやすくなります。
