ユニゾンチョーキングのやり方と音程を外さない練習の考え方

ユニゾンチョーキングは、同じ高さの音を2本の弦で重ねて鳴らし、片方だけをチョーキングで持ち上げる奏法です。見た目は派手ですが、難しさの中心は力ではなく、音程を合わせる耳、指の支え方、鳴らす弦の選び方にあります。勢いだけで練習すると音が濁ったり、ピッチが上がり切らなかったりしやすいため、まずは仕組みと確認ポイントを整理してから練習することが大切です。この記事では、ユニゾンチョーキングの意味、使う場面、基本フォーム、失敗しやすい原因、練習の進め方まで、自分のレベルに合わせて判断できるように整理します。

目次

ユニゾンチョーキングは音程合わせが大切

ユニゾンチョーキングで一番大切なのは、チョーキングした音を隣の弦で鳴っている同じ高さの音にぴったり近づけることです。単に弦を強く押し上げる奏法ではなく、2つの音が重なったときにうねりが少なく、芯のある響きになるかを確認する奏法だと考えると分かりやすくなります。ロックギターやブルース系のリードでよく使われ、1音だけのフレーズよりも厚みや叫ぶようなニュアンスを出しやすいのが特徴です。

たとえば、2弦8フレットの音を鳴らしながら、3弦7フレットを1音チョーキングして同じ高さに近づけるような形が代表的です。このとき、チョーキングする弦だけでなく、基準になる弦の音も同時に鳴っているため、音程がずれるとすぐに違和感が出ます。逆に、音程が合うと2本の弦が一体になったような太い音になり、短いフレーズでも印象が強くなります。

最初から速いフレーズの中で使おうとすると、チョーキング量、ピッキング、ミュート、リリースのすべてを同時に考える必要があり、難しく感じやすいです。まずは1つのポジションで、基準音を鳴らしてからチョーキングする音をゆっくり近づける練習をすると、耳と指の感覚がつながりやすくなります。ユニゾンチョーキングは派手なテクニックに見えますが、実際には音程を丁寧に合わせる基礎力がそのまま出る奏法です。

確認すること見るポイントずれているときの状態
音程基準音とチョーキング音が近いかうねりが強く、少し気持ち悪く聞こえる
弦の鳴り方2本の弦がはっきり鳴っているか片方だけが大きい、または余計な弦が鳴る
指の安定チョーキング後に音が揺れすぎないか音程が上がり切らず、途中で落ちる
ミュート不要な弦が鳴っていないかノイズが混ざり、フレーズがぼやける

まず仕組みを整理する

ユニゾンとは「同じ高さの音」という意味です。ギターでは同じ音を複数の弦とフレットで出せるため、片方の弦で基準になる音を鳴らし、もう片方の弦をチョーキングして同じ高さまで上げることができます。ここで大事なのは、2本の弦が別々の音として鳴っているように聞こえるのではなく、同じ音が重なって太く聞こえる状態を目指すことです。

普通のチョーキングとの違い

普通のチョーキングは、1本の弦を押し上げて目的の音程まで上げる奏法です。たとえば、半音チョーキングなら1フレット分、1音チョーキングなら2フレット分の高さを目指します。耳で到達点を確認する必要はありますが、基本的には1本の弦だけを狙った音に近づければよいので、音の比較対象は自分の記憶や前後のフレーズになります。

一方、ユニゾンチョーキングでは、基準音が同時に鳴っています。そのため、音程のズレがかなり分かりやすく出ます。チョーキング音が低いと、2つの音がぶつかるように聞こえますし、上げすぎると不安定で落ち着かない響きになります。つまり、ユニゾンチョーキングは普通のチョーキングよりも、音程の正確さを確認しやすい反面、ごまかしにくい奏法でもあります。

また、普通のチョーキングでは1本の弦を太く鳴らす意識が中心ですが、ユニゾンチョーキングでは2本の弦のバランスも重要になります。基準音が弱すぎると、ただのチョーキングに近く聞こえます。反対に、チョーキングする音が弱いと、厚みや迫力が出ません。2本の弦を同時に扱うため、右手のピッキング位置や左手のミュートも、普通のチョーキングより少し丁寧に確認する必要があります。

使われやすい場面

ユニゾンチョーキングは、ギターソロの盛り上げたい部分や、短い決めフレーズに向いています。特にロック、ブルース、ハードロック、ポップスの間奏などで、1音を強く印象づけたいときに使いやすいです。速い運指で音数を増やすよりも、1つの音を太く鳴らして感情を出せるため、初心者から中級者にとっても覚える価値が高い奏法です。

たとえば、ソロの最後に高い音へ向かって盛り上げる場面では、単音のチョーキングよりもユニゾンチョーキングのほうが音に厚みが出ます。バンドの中では、ドラムやベース、歪んだバッキングギターに音が埋もれやすいことがありますが、ユニゾンで鳴らすと音の存在感が増しやすくなります。アンプの歪みを少し足した音色とも相性がよく、音が伸びるほど迫力が出ます。

ただし、どの曲にも入れればよいわけではありません。静かなバラードや細かいメロディを大切にしたい場面では、音が強すぎて浮いてしまうことがあります。使う場所は、長く伸ばしたい音、感情を強く出したい音、フレーズの山になる音に絞ると自然です。目立つ奏法だからこそ、入れる回数を少なめにしたほうが印象に残りやすくなります。

基本フォームを身につける

ユニゾンチョーキングを安定させるには、左手の指だけで無理に弦を上げようとしないことが大切です。薬指でチョーキングする場合は、中指や人差し指を後ろから添えて支え、手首の回転も使いながら弦を押し上げます。指先だけで弦を持ち上げると、音程が不安定になりやすく、指先も痛くなりやすいです。

左手は支えを作る

よく使われる形は、3弦を薬指でチョーキングし、2弦の基準音を小指または人差し指で押さえるパターンです。たとえば、3弦7フレットを薬指で押さえ、中指と人差し指を後ろに添え、2弦8フレットを小指で押さえるような形です。この場合、薬指だけで頑張るのではなく、3本の指をまとめて動かす意識を持つと、少ない力でも音程を上げやすくなります。

親指の位置も大切です。ネックの後ろに親指を深く隠したままだと、チョーキングで力をかけにくくなります。ロック系のフォームでは、親指をネックの上側に軽く出し、手首を少し返すようにすると、弦を支えやすくなります。ただし、力みすぎると手首や親指に負担がかかるため、音が上がった位置で固めるのではなく、必要なところで止める感覚を身につけることが大切です。

基準音を押さえる指は、力を入れすぎないようにします。基準音の弦までチョーキングしてしまうと、ユニゾンではなく両方の音程が動いてしまい、目標が分かりにくくなります。基準音はその場に置いておき、チョーキングする弦だけを動かす意識を持つと、音程の比較がしやすくなります。最初は動作を小さく分けて、基準音だけ、チョーキング音だけ、最後に同時という順番で確認すると安定します。

右手は弦を選んで弾く

右手は、狙った2本の弦だけを鳴らす意識が必要です。ピックで広くかき鳴らすと、隣の弦や低音弦が混ざり、ユニゾンの響きがぼやけます。最初はピックの先端を浅めに当て、2本の弦を小さなストロークで弾くと、余計なノイズを減らしやすくなります。慣れてきたら、少し強めに弾いてアタックを出すと、ロックらしい迫力が出ます。

ミュートも右手の大事な役割です。低音弦が鳴りやすい場合は、右手の手のひらをブリッジ付近に軽く置き、不要な弦を触れておきます。高音弦側のノイズは左手の空いている指や指の腹で抑えることもできます。ユニゾンチョーキングは2本の音が主役なので、それ以外の弦が鳴ると、音程が合っていても雑に聞こえやすくなります。

ピッキングのタイミングは、フレーズによって変わります。先に基準音とチョーキング前の音を同時に鳴らし、そこからチョーキングしていくと、音がせり上がる感じが出ます。最初からチョーキングした状態で2本を鳴らすと、太いユニゾン音として聞かせやすくなります。どちらが正解というより、曲の中でどんな表情にしたいかによって使い分けると自然です。

練習は段階を分ける

ユニゾンチョーキングは、最初から曲中のフレーズで練習するよりも、音程、フォーム、ノイズ処理を分けて練習したほうが上達しやすいです。特に初心者は、音が上がり切っていないのに速く弾こうとしてしまい、チョーキングの癖が崩れやすくなります。まずはテンポを落とし、1回ずつ音を確認する練習から始めるのがおすすめです。

基準音を先に覚える

最初の練習では、チョーキングで到達したい音を先に弾いて耳に覚えさせます。たとえば、3弦7フレットを1音チョーキングして2弦8フレットの音に合わせたい場合、まず2弦8フレットだけを鳴らします。その音を耳に残したまま、3弦7フレットをチョーキングし、同じ高さに近づいているか確認します。いきなり同時に鳴らすよりも、目的地が分かるため音程が安定しやすくなります。

次に、基準音を鳴らしたままチョーキング音をゆっくり上げます。音が近づくにつれて、2つの音のぶつかりが少なくなり、重なった感じに変わっていきます。この変化を耳で覚えることが大切です。チューナーを使って確認するのもよいですが、最終的には自分の耳で「まだ低い」「少し上げすぎた」と判断できるようにするほうが、曲中で使いやすくなります。

音程が合わないときは、力が足りないだけとは限りません。指の位置がフレットから遠い、弦高が高い、弦のゲージが太い、手首が固まっているなど、複数の原因が考えられます。特に太い弦や高めの弦高のギターでは、同じチョーキングでも負担が大きくなります。練習を続けても指が強く痛む場合は、フォームだけでなく、弦の太さやギターの状態も確認するとよいです。

短いフレーズで試す

音程がある程度合うようになったら、短いフレーズの中に入れて練習します。たとえば、ペンタトニックスケールの数音を弾いたあと、最後にユニゾンチョーキングで伸ばす形にすると、実際のソロに近い感覚で使えます。最初は速いフレーズではなく、4小節程度のゆっくりしたフレーズで、チョーキングする音をはっきり目立たせる練習が向いています。

練習では、メトロノームを使ってリズムも確認します。ユニゾンチョーキングは音程に意識が向きやすいですが、チョーキングを始めるタイミングや伸ばす長さがずれると、フレーズ全体が不安定に聞こえます。4拍目でチョーキングする、2拍伸ばしてからリリースするなど、簡単なルールを決めて弾くと、音程とリズムを同時に整えやすくなります。

録音して聴き返すことも効果的です。弾いている最中は気持ちよく聞こえても、録音では音程が低かったり、余計な弦が鳴っていたりすることがあります。スマートフォンの録音でも十分なので、基準音とのズレ、ノイズ、リリース後の音の乱れを確認します。自分で気づけるようになると、練習の方向を間違えにくくなります。

練習段階内容確認ポイント
段階1基準音だけを鳴らす到達したい高さを耳で覚える
段階2チョーキング音だけを上げる半音か1音かを間違えない
段階32本を同時に鳴らすうねりが少ない位置で止める
段階4短いフレーズに入れるリズムとミュートが崩れない

失敗しやすい点を直す

ユニゾンチョーキングで多い失敗は、音程が低い、余計な弦が鳴る、リリースが雑になる、力みすぎて音が揺れるという4つです。どれも一度に直そうとすると難しいため、録音やゆっくりした練習で原因を分けて確認することが大切です。特に音程とノイズは混ざって聞こえやすいので、まずは2本の弦だけがきれいに鳴っているかを見直すと改善しやすくなります。

音程が低いとき

チョーキング音が基準音より低い場合、もっと強く押し上げれば解決すると思いがちです。しかし、力だけで上げようとすると指先が痛くなり、音程も不安定になります。まず確認したいのは、チョーキングする指を他の指で支えられているか、フレットの近くを押さえているか、手首を使えているかです。薬指1本だけで弦を持ち上げている場合は、中指と人差し指を添えるだけでもかなり楽になります。

また、どのくらい上げればよいかを知らないまま弾いていると、毎回音程が変わります。1音チョーキングなのか半音チョーキングなのかを確認し、到達先のフレットを実際に弾いてから練習するとよいです。たとえば1音チョーキングなら、基本的には2フレット上の音を目指します。もちろん弦やポジションによって感覚は変わりますが、最初の目安としては十分使えます。

ギターの設定も見落としやすいポイントです。弦高が高すぎる、弦が太すぎる、フレットが摩耗しているなどの場合、正しいフォームでも弾きにくくなります。初心者の場合は、09-42や10-46程度の一般的なゲージから始めると扱いやすいことが多いです。どうしても指がつらい場合は、練習不足だけで判断せず、楽器店で弦高やネックの状態を見てもらうのも現実的な方法です。

ノイズが多いとき

ノイズが多い場合は、右手と左手の両方で不要な弦を止める必要があります。チョーキング中は弦が動くため、隣の弦に触れたり、低音弦が共鳴したりしやすくなります。特に歪ませた音では、小さなノイズも大きく聞こえます。アンプやエフェクターのゲインを上げすぎていると、フォームの粗さが目立つこともあるため、最初はクリーン寄りの音で練習するのも効果的です。

左手では、使っていない指や指の腹で高音弦側を軽く触れておくと、余計な音を抑えやすくなります。右手では、ブリッジ付近に手のひらを置き、低音弦を軽くミュートします。ミュートは強く押さえすぎると必要な音まで消えてしまうため、鳴らしたい弦と止めたい弦を分ける感覚が必要です。最初はゆっくり2本だけ弾き、どの弦が鳴っているかを目で確認しながら練習するとよいです。

ピックの振り幅も見直しましょう。大きく振り抜くと勢いは出ますが、狙っていない弦まで当たりやすくなります。ユニゾンチョーキングでは、2本の弦だけを確実に鳴らせる小さなストロークから始めるほうが安定します。慣れてから強弱をつければ、音量と表現を両立できます。派手に聞かせる前に、まず狙った弦だけを鳴らすことが大切です。

リリースが乱れるとき

チョーキングしたあとに弦を戻すリリースで音が乱れることもよくあります。上げるところまではきれいでも、戻すときに余計な弦を引っかけたり、音程が急に落ちたりすると、フレーズの終わりが雑に聞こえます。リリースまで音として使う場合は、戻す速さもフレーズの一部です。反対に、リリース音を聞かせたくない場合は、右手や左手でミュートしてから戻す必要があります。

リリースが乱れる原因は、チョーキングした位置で指が安定していないことが多いです。音程を上げた瞬間に力が抜けたり、指先が弦の下に潜りすぎたりすると、戻すときにコントロールしにくくなります。上げた状態で1拍、2拍と止める練習をすると、指の支え方が安定しやすくなります。止められない場合は、まだ力の入れ方や手首の角度が安定していない可能性があります。

リリースをきれいにするには、上げる練習と同じくらい戻す練習も必要です。ゆっくり上げて、目的の音で止め、ゆっくり戻す。次に、上げた音だけを鳴らしてすぐミュートし、音を出さずに戻す。この2つを分けて練習すると、聞かせるリリースと聞かせないリリースを使い分けやすくなります。ソロの表情を整えるうえで、戻し方は意外と大きな差になります。

自分に合う練習へ進む

ユニゾンチョーキングは、形だけ覚えても音程が合わなければ魅力が出にくい奏法です。まずは1つのポジションで、基準音を鳴らし、チョーキング音を同じ高さに近づける練習から始めましょう。次に、不要な弦を鳴らさないミュート、フレーズの中で使うタイミング、リリースの処理を順番に整えると、実際の曲でも使いやすくなります。

初心者の場合は、速さよりも音の重なりを優先してください。1日で多くのポジションを覚えるより、同じ形をゆっくり10回弾き、録音して音程を確認するほうが上達につながります。中級者であれば、ペンタトニックスケールのフレーズに入れたり、歪みの量を変えたり、ピッキングの強弱で表情を変えたりすると、単なる練習ではなく音楽的な使い方に近づきます。

練習するときは、次の順番で確認すると迷いにくくなります。

  • 基準音を先に鳴らして、到達点を耳で覚える
  • チョーキングする指を中指や人差し指で支える
  • 2本の弦だけを小さなストロークで弾く
  • 不要な弦を右手と左手でミュートする
  • 録音して音程、ノイズ、リリースを確認する

曲の中で使う場合は、長く伸ばしたい音やソロの山になる音に絞ると自然です。たくさん入れすぎるとフレーズが重くなり、せっかくの迫力が薄れてしまいます。ユニゾンチョーキングは、ここぞという場所で使うと強く印象に残る奏法です。まずは1つの得意な形を作り、自分のフレーズに少しずつ取り入れていくと、音程も表現も安定しやすくなります。

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この記事を書いた人

バンドや音楽活動が、日常を少し楽しくしてくれる存在だと思っています。
ジャンルや楽器、活動の仕方を眺めているだけでも、世界が広がる感じが好きです。
このブログでは、音楽を始めたい人向けに、選び方や考え方を分かりやすくまとめています。ステージに立つ日も、部屋で音を鳴らす時間も、どちらも楽しい未来になりそうですね。

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